ランチミーティングよりも手軽に社内を活性化!フィーカ(FIKA)のすすめ
2017年5月31日
近年、一昔前までは当たり前だった飲みニケーション離れが進み、それに代わる社内コミュニケーション方法として、ランチミーティングなど、各社様々な施策を取り入れてきています。
FIKA(フィーカ)もその一つです。
むしろ近年はランチミーティングよりも手軽にできるということからFIKA(フィーカ)が注目されてきています。
今回は、そんなFIKA(フィーカ)についてや、社内コミュニケーションを深める施策の一貫としてFIKA(フィーカ)を円滑に運営していくコツをご紹介いたします。
ランチミーティングはいい面ばかりではない!
飲みニケーションに代わる新たな社内コミュニケーション方法として、近年多くの企業が導入しているのがランチミーティングです。
ランチミーティングは、「飲みにいくよりも気軽にできる」という点から、新しい社内コミュニケーション方法として注目されていますが、実際にはランチミーティングについても「あまり乗り気ではない」という意見が多いようです。
「マイナビウーマン」が2015年に22歳〜39歳の社会人男性105人に対して行ったランチミーティングに関するWebアンケートによれば、「ランチミーティングは好きですか?」という質問に対し、約7割の方が「嫌い」と回答しています。
(参考元:マイナビウーマン「ランチミーティングに関するWebアンケート」より)
社内コミュニケーションに「良い」とされるランチミーティングについても「仕方なく参加している」という方が多く、不満に思っている方も多いということがこの結果からわかると思います。
そんな、ランチミーティングよりも手軽に行える社内コミュニケーション方法として、今FIKA(フィーカ)が注目されてきているのです。
フィーカ(FIKA)とは?
フィーカ(FIKA)とは、スウェーデン語で「甘いものと一緒にコーヒーを飲み休憩する」ことを意味します。
コーヒーブレイクやティーブレイクなどと同じような意味合いを持つ言葉です。
スウェーデンの企業などでは、毎日午後3時に仕事の手を止め、お菓子とコーヒーを楽しみながら雑談することが日常的に行われています。
中には1日に2回行う会社や、毎週金曜日の午後3時から、に限定してるところもあり、やり方は各社それぞれです。
近年では日本の企業でもこのフィーカ(FIKA)を取り入れる企業も増えてきており、ランチミーティングよりももっと気軽にできる社内コミュニケーション方法として注目されてきています。
フィーカ(FIKA)が注目される理由
なぜランチミーティングではなく、フィーカ(FIKA)が注目されてきているのでしょうか?
その最大の理由は、スウェーデンが世界有数の短時間労働国であるためだと言われています。
日本でもプレミアムフライデーが導入され、日本政府が労働時間短縮に関する具体的な施策を講じたことが、話題となりましたが、スウェーデンでは約十数年前から1日6時間労働が当たり前になっています。
スウェーデンのヨーテボリのトヨタのサービスセンターは約15年前から6時間労働制を導入し、利益の増大や、社員の満足度の向上など会社にとっていい影響を出し続けているそうです。
また、ヨーロッパの企業でも1日6時間制を導入する企業も増えてきており、社員の生産性が向上したことで、今まで2〜3ヶ月かかっていたプロジェクトが1ヶ月程度で終わるようになったなど、会社の生産性や利益率の向上などにつながっているといいます。
このように短時間労働化に成功したスウェーデンは、長時間労働が常態化している日本にとっては参考にすべき国であり、そのスウェーデンの社内で習慣化されているフィーカ(FIKA)に注目が集まったのだと考えられます。
また、それだけではなくランチミーティングに比べてフィーカ(FIKA)には次のようなメリットもあり、それも注目されている理由だと言われています。
- 報連相も気軽にできてしまう
- 業務時間内に短時間で気軽に行える
- 誰でも気軽に参加できる
フィーカ(FIKA)のやり方とは?
フィーカ(FIKA)はコーヒーブレイクのような習慣なので、特に決まったやり方はありませんが、スウェーデンの企業では次の1〜3ように行われるのが一般的です。
- 毎週金曜日の午後15時(※時間は企業によって様々です)に仕事を辞め、社内のカフェテリアなどに集まる。
- 用意された、またはみんなで持ち寄った甘いお菓子とコーヒーを片手に雑談する
- 30分〜1時間ぐらい雑談を楽しみ、それが終わると帰宅する
また、お菓子やコーヒーについては会社が用意したり、みんなで持ち寄ったり、あるいは当番制で「今日はこの人がお菓子担当」「今日はこの人がコーヒー担当」としたりする企業もあるようです。
フィーカ(FIKA)を日本の会社で活用するための6つのコツ
プレミアムフライデーをが現実的に定着できていない企業も多い日本でこのような制度を一気に導入するには少しハードルが高いかもしれません。
逆に「仕事をしたいのに・・・」と文句が出てしまう可能性もあります。
ここで重要なのが、そのまま取り入れるのではなく、自社に取り入れやすい形でフィーカ(FIKA)を取り入れていくことです。
「甘いお菓子とコーヒーを片手に社員同士でコミュニケーションを取る」ということができれば、やり方は行う頻度などは自由に設定するのが良いでしょう。
では、実際にどのような方法でフィーカ(FIKA)を自社に取り入れて行けば、従業員の不満などが出にくくなるのでしょうか?
ランチミーティングや飲みニケーションに対しての不満の声などを参考に3つのコツをご紹介いたします。
業務時間内で行う!
ランチミーティングや飲みニケーションに対しての不満で多いのが「仕事以外の時間に仕事の話をしたくない・気をつかいたくない」などです。
ランチミーティングを行うのも、社員にとってはリフレッシュの時間であるお昼休みです。そういった社員一人ひとりが自由にリフレッシュできる時間を制限してしまうと、どうしても不満につながってしまいます。
そのため、フィーカ(FIKA)は業務時間内で行うことを心がけるようにしましょう。
例えばグループで行うのであれば、予めフィーカ(FIKA)の時間を共有しておくと良いでしょう。
お菓子とコーヒーを楽しむので、ちょうど小腹がすく15時〜16時あたりがおすすめです。
費用の社員負担は最小限に!
ランチミーティングや飲みニケーションに対しての不満で多いのが「費用がかさむ」ということです。
中にはお小遣い制なため、ランチは節約しておきたい、飲みの費用がもったいないという方も多くいらっしゃいます。
ランチや飲み会に比べれば、フィーカ(FIKA)では次のようなものを用意すればできてしまうので、あまり費用は高くありません。
そのため、そういった費用を会社でもってあげることで、社員の不満もぐんと少なくなることでしょう。
もし会社で持つことが厳しい様であれば、毎月フィーカ(FIKA)の費用として1人500円を集金して、集まったお金の中で行ったりなど、ちょっとした工夫でできてしまうものです。
時間を決めて、時間内で行う!
フィーカ(FIKA)は業務時間内で特別に行う雑談タイムです。そのため、しっかりと1時間なら1時間と時間を区切って行いましょう。
スウェーデンでは15時のフィーカ(FIKA)が終わると帰宅するというのが一般的ですが、忙しい日本人にとってはそれはあまり現実的ではありませんし、家に仕事を持ち帰ったりする原因にもなってしまいます。
そのため、あらかじめ時間をしっかりと区切って行うことが大切です。
議題やテーマを毎回決めておく!
スウェーデン人のように、特に議題やテーマがなくても話せるほど、日本人は社交的ではありません。
どちらかというと世界的に見れば日本人はシャイな人種です。そのため「雑談をしてください」と言われれば当然、そういったことが得意な人と不得意な人に分かれ、不得意な人にとってはそれが不満につながる可能性もあります。
また、グダグタな飲み会やランチミーティングは社員の不満にもつながってしまう可能性があります。
そういったことを無くすために、例えばGW開けであれば「GW何をしたか?」、または会社に関して「飲みニケーションについてどう思うか?」、または新入社員が入って来たときには「新入社員の自己紹介と質問タイム」など各回違ったテーマや議題を設けてそれについて議論を交わすことで、より深いコミュニケーションを行うことができます。
また、そういった雑談が不得意な人でも質問や、会話を振られれば意外と話せてしまうものです。
そういった意味でも毎回、共通のテーマや議題を用意して行うと良いでしょう。
フィーカ(FIKA)の取りまとめ役を作る!
社内で行うのであれば、飲み会の幹事のようにフィーカ(FIKA)担当を作ると運営がスムーズに行えます。
また気軽な会なので、新入社員など、まだあまり会社に慣れていない人に一任することもできてしまいます。
社員にとって無理のない日程・期間で行う!
中には「仕事をしたいのに無理やり参加したくない」という不満を言ってくる社員もいるでしょう。
そのため、本家スウェーデンのように毎日、毎週行うのではなく、毎月2、第4金曜日の15時からなど、自社に適した日程、期間で行うことが大切です。
やり過ぎは、社員の不満にもつながってしまいます。
また、参加できない人への参加の強要も避けるべきです。しかし、部下を持つ人や、役職の方は積極的に参加するようにした方が良いでしょう。
例えば、新入社員でフィーカ(FIKA)の取りまとめ役が一人で「フィーカ(FIKA)を始めますよ」と呼びかけをしているのに、誰も集まらなかったらどうでしょうか?
新入社員にとってそれはストレス以外何者でもありませんし、人によっては避けられていると錯覚してしまう方もいるかもしれません。
一方で、上司や目上の方が参加していれば、自然とそこにその方達と仲の良い人が集まってきますし、無言の強制力も発生します。
このように誰も参加しないという事態を避けるためにも、上司や役職のある人は「やる」と決めたら、出来る限り参加するようにした方が参加率はあがります。
まとめ
いかがでしたか?フィーカ(FIKA)はランチミーティングや飲み会よりも気軽に開けて、気軽に誰でも参加できる雑談型の社内ミーティングスタイルです。
ランチミーティングや飲み会を嫌う社員が多い会社や、ランチミーティングがどうも継続しないなど、社内コミュニケーション方法に困っているのであれば、ぜひこのフィーカ(FIKA)を実践してみてはいかがでしょうか?